社民党全国連合が8・15終戦の日の声明を発表

 社民党全国連合は、8月15日、終戦の日にあたり声明を発表しました。以下が、その全文です。

                              2025年8月15日

                                  敗戦80年にあたって(声明)

                                   社会民主党

 

 第二次世界大戦の終結から80年目の8月15日を迎えました。15年に及んだアジア・太平洋戦争は、310万人もの日本人の命を奪っただけでなく、日本の侵略と植民地支配によりアジア諸国をはじめ多くの国々に多大な犠牲と損害を与えました。心から謝罪するとともに、戦争により倒れ、傷つき、苦しめられた人々に、心から哀悼の誠を捧げます。また遺族の皆様、今なお戦争被害に苦しめられている皆様に、お見舞いを申し上げます。悲惨な戦争体験の上に制定されたのが日本国憲法でした。再び戦争の時代を招来させないよう努め、後世に継承していくことが真に求められる時代を迎えています。

 敗戦80年は被爆80年でもあります。昨年、長きにわたり核兵器の廃絶を訴えてきた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞したことを平和を願う多くの人々は心から歓迎、「核なき世界」に向けた動きが強まることを期待し、決意を新たにしました。

 しかし、残念ながら願いに逆行する動きが顕著です。人類滅亡までの「終末時計」は89秒を示し、過去最短となりました。ウクライナ戦争は開始から3年半が経過し、イスラエルのガザ侵攻は10月で2年となり、死者は6万人を超え餓死者も生まれています。一部の為政者からは核攻撃をちらつかせる発言まで飛び出しています。日本でも先の参院選で「核兵器使用は安上り」と公言する候補者が当選し、今回当選した参院議員のうち8人がメディアのアンケートに「核兵器は保有すべき」と回答しました。

 米トランプ政権も日本への圧力を強めています。ヘグセス国防長官は今年3月に来日した際に、「西太平洋におけるあらゆる有事に直面した場合、日本は最前線に立つことになる」と発言、日本を中国との戦争の矢面に立たせることを公言しました。それでも物足りないのか、米政府は日本政府に防衛費を現在のほぼ2倍の国内総生産(GDP)比3.5%に引き上げるよう非公式に打診しました。

 日本政府は23年度から5年間で総額43兆円にも及ぶ防衛予算を計上し、「台湾有事」を煽りながら実戦さながらの米国などとの軍事演習を繰り返しています。「台湾有事」などを想定した日米両政府による机上演習で防衛省は米軍に「核抑止」で中国への威嚇を求め、米軍も受け入れたと報じられています。「戦争する国」に突き進もうとする現状に強い危機感を私たちは覚えるものです。

 参院選では多文化共生社会の実現ではなく、「日本人ファースト」を求める排外主義政党が躍進しました。「治安悪化」や「社会保障優遇」などを根拠に主張されましたが、ほとんどが事実と一致しないことが明らかになっています。改めるべきは沖縄などで米兵による多発する性犯罪や環境破壊の元凶となっている日米地位協定の改定であり、「思いやり予算」の見直しです。

 日本政府はいまこそ核兵器禁止条約の署名、批准をすべきです。国民生活は相次ぐ物価の高騰で困窮の度を深めています。一方で防衛費の大幅な増額は社会保障費や医療・介護、教育など国民生活に密接に関連する予算の削減や消費税率の上昇につながらざるをえません。社民党は「新たな戦前」を決してつくらず、多大なる戦争の犠牲により勝ち取った日本国憲法の理念を政治に活かしていきます。引き続き憲法改悪を許さず、「ミサイルよりコメ」の政治の実現に向け全力を挙げる決意です。

 

8・15声明25年 20250817

この記事をシェアする